2006,9月
ケニヤ山
ケニヤ山

 いつものように個人旅行で行きたいと思い調査したが、現地(ナイロビ)の治安が悪く単独は危険であること、移動やガイドの依頼など経費が単独の方がかかることなどから、ツァー会社(アルペンツァーサービス株)が主催する登山ツァーに参加した.。
参加者は男性8人、女性3人、それにツァーリーダー1人の合計12名。参加者全員、海外登山の経験を持ち、平均年齢は60才ぐらいと思われた。

9月9日 朝の3時半に家を出て成田に向かう。参加者7名と合流、11:30発のKLM機でアムステルダムへ。約10時間のフライトで午後の4時半にスキポール空港着、荷物が行方不明になることを恐れアムステルダムでいったん受け取る。先に到着していた関西組4名と合流。空港内のホテルに宿泊。

 9月10日 10:15発KLM機でナイロビへ。10時間のフライトで19:20にナイロビ着。途中、機内から白いアルプスの峰々、地中海、そしてサハラ砂漠とその砂漠を流れる何本ものナイル川本支流を見る。現地観光ツァー会社SOMAK社の送迎でナイロビ市内のホテルへ夜10時過ぎに到着。

 9月11日 7:40 マイクロバス2台に分乗し国道を北上しナニュキへ。高層ビルが立ち並ぶナイロビ市内を出ると乾燥した広い大地に整備された牧場、パイナップルやコーヒー園が続き、道路の則面で牛やヤギを放牧している姿や、バラックのような粗末な建物の市場や商店が続いた。国道ではいたるところで釘を上向きにした木のバリゲートと自動小銃を持った警察の検問があった。歩いている人の中にステッキを持ったマサイの姿もある。
11時過ぎに赤道直下のナニュキに到着。ここで、地球の回転により北と南では低気圧(台風など)が逆に回転する現象(コレオリの定理)を実験証明してみせる面白い催しを見学する。穴の開いた容器から水を落とすと赤道直下では回転せずに、北側20m離れた地点では右に回転し、南側20mでは左回転して水が落ちる。僅か20mの距離で歴然と異なりインチキ臭いと思ったが、理化の実験のようで面白い。

ナイロビ市内
ナイロビの朝の出勤風景
郊外のバラック
粗末な市場や商店
コレオリの定理の証明
コレオリの定理の証明?

ケニヤ山に向かい、山麓のロッジで昼食。ケニヤ山国立公園入口で登山手続きをし車で1時間ほど山に向かって走った後、明日からのコンデションを整えるために、1時間ほど歩いてメットステイション小屋(3048m)に入る。
 チーフガイド、コック兼ガイド2名、ポーター10名が紹介される。メットステイーションは小さな5〜6棟の小屋からなり周囲には竹や高木の林で、サルオガセが沢山着いている。一時雨が降り肌寒い。
 9月12日 6時起床、6時半朝食(スープ、ホットケーキ、パン、ベーコン、果物など)、7時半、チーフガイドの先導で出発、今日はマッキンダーズ小屋まで標高差1150mの登り。3500mあたりまでサルオガセが垂れ下がる樹林帯を歩く。その上は湿地帯でイネ科の植物(ヒース)の他に大きな葉を持つ独特の植物(セネシオ)を見る。
途中で先行したコック、ポーターが用意してくれた昼食をとる。なだらかな草原の中のだらだらと長い道を歩き、左の谷(ナロモル川)に向かってゆるく下り、河原の登りになる。ヒョウとみぞれが降る。15時、疲れきってマッキンダーズ小屋に到着。頭痛が激しく食欲も無いが、無理をして夕食を食べる。ヘルスチェックでは血中酸素濃度が70%ぐらいまで落ちていた。小屋の周りには狸ほどの大きさのハイラックス(象の仲間)が歩き回っていた。
夕方、雲が取れてケニヤ山の主峰のバチアンが現れる。初めて目にするケニヤの最高峰は鋭く天を指し、夕陽に赤く染まっていた。写真を撮ろうとデジカメを取り出したがファインダーの像が乱れ全く撮影できない。体調が悪い上にカメラも不調で最悪。明日の体調回復を願い水分を多くとり暖かくして休む。

セネシオプラティカ
セネシオプラティカ
ヒースとセネシオの湿原
ヒースとセネシオの湿原
ロべりアとジャイアントセネシオ
ロべりア(手前)とジャイアントセネシオ

9月13日 朝1時起床、頭痛がかなり改善され、血中酸素濃度が80%台まで回復していた。スープとパンの軽い朝食をとり、お湯を入れたテルモス、チョコレートなどの行動食、雨具(兼防風防寒)などをザックに詰め、2時ヘッドライトをつけ、レナナピークを目指して全員で出発する。月と星が輝き、オリオン、カシオペアの星座が見られた。風も無くさほど寒さを感じない。辺りが見えず単調な登りで、3時間を経過し4500mを越すあたりから息苦しさと疲れ、寒さを覚える。大きな積み重なった岩の上に雪が積もり滑リやすい。オーストリアンハット(4700mの非難小屋)で小休、お湯と行動食をとり少し元気が出る。レナナピークへの最後の登りを詰め、東の空が明るく色付き始めた6時に、大きな岩を乗り越えて山頂(4985m)に立つ。赤道直下の太陽が辺りを明るくし、風が霧を吹き払いバチアンが目の前に鋭く立ちはかる。ブロッケンも見られる。10分ほどで山頂を後にする。

レナナピークのトップ
ケニヤ山山頂
山上湖
山上の湖
 10時、マッキンダーズ小屋に帰着、スープなどの軽食を取り、しばらく休憩の後、メットスティションに向けて下山を始める。昼過ぎに雲が湧き上がり、ぽつぽつ降り出したと思ったら、ヒョウが混じったドシャ降りの雨になった。激しい雨に雷も鳴り、歩行が出来なくなりしばらく岩陰で雨宿りをする。1時間ほどで雨が収まり、歩き始める。湿地帯は一面泥水とアラレの粒に覆われ、草を踏みつけて歩いた。これでは植物が枯れてしまうと気になりながらも、仕方なく草を踏みつけて歩くしかなかった。朝の2時から歩き、疲れ果てて15時半にようやくメットスティションに着く。

ここから、車2台で宿泊地へ向かう予定でいたが、車の故障で1台しか来ない。仕方なく女性や疲れた人を優先させてホテルに送り、半数は他の車の到着を待つ。結局、他の車は無く、先発隊をホテルまで送り、引き返して残りの我々を迎えに来る。この間、待つこと3時間、メットスティションを出たのは日没間際の18時半であった。途中、暗くなりかけた道路に、大きなバッファローが2頭道路わきに立っていた。2mほどの至近距離で眺めていると、ゆっくり藪の中に消えていった。竹やぶや雑木が茂り、日本の山道と変わらない雰囲気であるが、やはりここはアフリカであることを改めて感じる。ロッジに20時到着、ケニヤ山を全員登頂して無事帰着。全員ビールで乾杯し、バイキング料理を楽しむ。

キリン
キリン
シマウマ
シマウマ
ハエイナ
ハエイナ

9月14日 ロッジを8時半に出発しアンボセリ国立公園に向かう。途中のナイロビ市内で昼食。他のメンバーが昼食をとっている間に、ドライバーにカメラ屋へ案内してもらう。ナイロビの町は治安が悪いので要注意と言われているが、沢山の人や車でごった返しているものの、特に危険を感じることも無く、アフリカの大都市を楽しく見学しながら20分ほど歩き回る。2軒目の店でカメラのバッテリー(1個15000円もした)と、サブカメラ(キャノンのデジカメ)を購入する。出発5分前に他のメンバーのいるレストランに帰り、急いで昼食をとって車に乗る。
 タンザニアの国境に近いナマンガからアンボセリに入る。乾燥して草がほとんど無い砂漠のような平地を、砂埃を立ててサファリカーが動物を探して走る。キリン、シマウマ、象、ハイエナ、いのしし、ヌー、スプリングボックスなどを車の天井から眺める。キリマンジャロから地下を通ってきた水が作る湿地帯もあり、カバやバッファローが水に入っている。広大な平地に動物が点在しているので、ドライバーは仲間と無線で連絡しあい、動物の姿を追い求める。肉食獣はきわめて少なくライオンの姿を見ることが出来なかった。2時間ほどサファリを楽しみ、5時半に公園内のトカイロッジに入る。

9月15日 未明にベッドの中で遠く野獣の声を聞く。部屋の外に出ると月と星が出ていて肌寒い。ベッドに戻り、明るくなってから部屋の外に出ると、朝日に輝く雪を乗せたキリマンジャロが望めた。ヘミングウェイがこの公園に滞在して「キリマンジャロの雪」を書いたといわれるが、素晴らしい展望で感慨に浸る。
午前はマサイの集落を見学する。男女30人ぐらいが、民族衣装(布)をまといステッキを持って、マサイの踊りをおどって我々を出迎えてくれた。勧められて我々も一緒に踊る。
火を起こす実演、木の根などを使った頭痛薬などの民間医療の紹介の後、家の中を見学する。電気はなく、10cmほどの小さな窓が1つか2つで真っ暗、中央のいろりから煙が部屋中に漂っていた。お金のある男は10人ぐらい妻帯すること、1日に77km歩行することなど流暢な英語で説明してくれた。

マサイの家
マサイの家
マサイと踊る
マサイと踊る
火お越し
火おこし

村を出て、サファリを続けながら公園の出口に向かったが、方角を間違え気付かぬうちに国境を越えてタンザニアに入ってしまう。方向がわからず困っていると、タンザニア側から入ったジープに出会い、その車に乗っていたマサイのレンジャーが我々の車に乗り、案内してくれる。
国境の町のナマンガに戻りタンザニアに入国する。タンザニアに入ると道路はきれいに舗装され、検問も無く、道の両側に緑の畑や草原が続く。道を歩く人の服装も整い穏やかな印象を受ける。国境を越えるとこんなに環境が変わるものかと驚く。アルーシャ国立公園に入る。アンボセリの砂漠のような風景と異なり、森林の公園でキリンやバッファロー、サルなどがいた。サファリを楽しんで夕暮れにメモラロッジに入る。この公園には肉食獣はいないとのことで、策が無く、キリンがロッジの敷地内に入ってくることもあるという、いたってのどかな環境である。

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