2006,9月
アンボセリからのキリマンジャロ
アンボセリー自然公園からの朝のキリマンジャロ (右キボ峰、左マウエンジ峰)
ケニヤ山を登頂した後アンボセリーでサファリを楽しみ、いよいよアフリカの最高峰 キリマンジャロをめざす。難しい山ではないが、5895mに登るのは薄い酸素と寒さで体力がいるうえ、高山病の心配もある。ケニヤ山で高度順化が出来たせいか全員登頂を果たすことが出来た。
1日目
 7時半にアルーシャ公園内のロッジを出発、キリンやバッファローを眺めながら公園を抜け、タンザニアの緑の多い街道をキリマンジャロに向かう。登山口のマラングゲート(標高1800m)に10時着、入山手続き後、チーフガイドのアルバートのほか4人のガイドが紹介される。アルバートは下山して別れるまで一度も笑顔を見せず、常に他のガイド、コック、ポーターに対して威厳を保っていた。

 登山口には売店をかねた防寒具、ストックなどのレンタルショップがある。10時40分に出発。広葉樹の茂る林の中を整備されたゆるやかな登山道が続く。インパチェンスやホウセンカなど、日本の園芸種の原種と思われる草花がみられた。大木の幹はコケに覆われ、イワタバコの仲間が可憐な白い花を付け、枝にはサルオガセが沢山からみついている。
 午後3時にマンダラハットに到着。ハット(山小屋)は大きな食堂棟と10棟ぐらいの宿泊棟からなり、宿泊棟は中央で仕切られた2ルームで、1ルームは2段で4〜6名宿泊が可能。マットが敷かれていて持参したシュラフに入って寝た。食事はポーターが食材や用具を運び、コックやガイドが料理を作る。彼らが作る食事の味とボリュームは満足できるものであった。夕方まで時間があるので、片道30分ほどのクレーター(噴火口)を見に行く。途中でシロクロコロブスという現地でも珍しいサルの一群に合う。クレーターは直径500mぐらい、深さが50mぐらいのすり鉢状で、中はイネ科の植物が茂り、ここの固有種のキリマンジェリカという10cmほどの花を付けた木を見る。

ホウセンカ
ホウセンカ(原種?)
キリマンジェリカ
キリマンジェリカ
ドライフラワーのような花
ドライフラワーのような花
カメレオン
カメレオン
2日目 
 6時半モーニングコール、ポーター達がティーを持って各棟を起こして歩き、温かいティーを入れてくれる。さらに、お湯を入れた洗面器を人数分置いていってくれる。7時に食堂棟に行きコックが作ってくれた朝食を全員でとる。スープ、お粥かパン、卵かソーセージなどのお肉、デザートにスイカやバナナなどの果物が付く。8時出発。2〜3mの針葉樹林の中の道を歩き、やがて草原に出る。ガイドは日本人登山者から教わったのか「ショージョー寺の狸囃し」などを歌っている。ガイドが昨日頼んだカメレオンを見つけてくれる。大きな目玉を左右別々に動かして愛嬌がある。なだらかで単調な草原の道を歩き、3時にホロンボハット(3720m)に到着。我々を追い越して到着していたポーター達が食堂にティーを用意してくれる。

ホロンボハット
ホロンボハット(小屋)
ジャイアントセネシオとキボ峰
ジャイアントセネシオとキボ峰
日目
 6時半起床、7時に朝食、8時出発。ジャイアントセネシオというソテツのような木(草?)の生えるやや急な道を歩き、最後の水場(ラストウォーター)に到達。乾季末で水は少なくなっていた。この先の丘の上で目指すキボ峰の展望が一気に広がる。ザ・サドルと呼ばれる鞍部は、砂漠のような乾燥した草原で、正面に目指す雄大なキボ峰を望み、背後にマウエンジ峰があり2つの峰に挟まれた鞍部(サドル)のようになっている。平坦な砂漠のようなサドルは遠くまで展望が開け、登り下りの人がはるか遠くまで点々と続いている。やや急な斜面を登って13時半に小雪の舞う中をキボハット(4703m)に到着する。

キリマンジャロのサドル
砂漠状のサドル
マウエンジ峰
夕陽のマウエンジ峰

 今夜の出発は、積雪が予想されるため予定より1時間早め、23時になる。夕食前に少し睡眠を取りたいと思ったが眠れず。外は激しい風と雪が舞っていた。17時夕食、血中酸素が90%台で心拍数も正常、ケニヤ山で高度順化が出来たようで、ケニヤ山に登るときより体調が良い。天気も上がってきた。いよいよ、明日はアフリカの最高峰に立てる。スープとパンの軽食をとり、22時30分ヘッドライトを付けて小屋を出る。辺りは一面新雪に覆われている。歩き始めるとすぐに急斜面をつづら折の道に入る。
4日目
  稜線(ギルマンズポイント)までの中間点のハンスメイヤーケイブ(5300m地点の大きな岩)に2時半着。ここまでほとんど休まず歩く。この辺りで雪は10cm以上あった。これから先ギルマンズポイントまでの登高は本当に辛かった。暗く辺りの全く見えない雪の壁を何度も折り返しながら果てしなく登り続ける。高度の影響で息が苦しい上に眠い。

 5時30分、東の空が赤くなり始める頃、ギルマンズポイント(火口稜線)に着く。ここでウルフピークに向かう者と、ここから下山するものを区分する。ここまで辿り着けば、キリマンジャロを登頂したことになり証明書を出してくれる。ウルフピークまで火口稜線をたどって標高差200m、往復2時間半のアルバイトは厳しい。ここから下山しようと決めていたが、地平線から登った太陽の光を受けた途端に最高点のウルフピークに登りたいという意欲が沸きあがり、ウルフピークに向かって歩き始めた。日の出とともに眠気が治まり不思議なほど気力が回復していた。

キリマンジャロ日の出
日の出
キリマンジャロの雪
山頂の氷河
登頂したメンバー
ウルフピークで(右端)

 山頂は巨大なクレーター(富士山の数倍)になっていて、右にクレーターを望みながら3分の1周ほど火口稜線をたどりウルフピークを目指す。7時40分ついに最高点のウルフピークに到達する。寒さは厳しいが日の光が射し、風も穏やかであった。氷河は階段状に積みあがった形で、キリマンジャロの雪として知られるこの氷河があと10数年で消えてしまうと言われるが、この巨大さを見ると信じがたい。氷河に登って見たいと思ったが、レンジャー以外近づくことも許されないようになっていた。
往路を戻り、下降点のギルマンズポイントから、急な下りを2時間かけ、疲れ果てて10時半にギボハットに到着、食事を取る。その後、重い足を引きずり、延々と続く道をホロンボハットに向かう、15時着。昨日の歩行の疲れが取れぬまま、睡眠も取らず16時間ほど行動した。夕食はガイドが日本式のカレーライスを作ってくれる。全員無事登頂を終え、安心感か、標高が低くなったせいか、疲れも睡眠もあまり感じず、食欲も出て楽しい夕食になった。夜中に激しい風雨と雷の嵐がハットを揺すっていた。
5日目
  朝、ハットの外に出るとキボ峰が青空に白く浮き出ていた。夜中に襲った嵐が、山頂にかなり雪を積もらせたようだ。今は、乾季が終わる季節。我々の計画が1日遅れていたら、ウルフピークには登頂出来なかったのではないかと思われた。7時にハットを出て、植物を見ながら歩いて登山口のマラングゲートに着く。登頂証明書がチーフリーダーから全員に手渡される。最後にガイドとポーター全員でキリマンジャロの歌を歌ってくれた。


バッファロー
バッファロー
バオバブの木
バオバブの木
夕陽のキリマンジャロ
夕陽のキリマンジャロ
帰国
 午前中、アルーシャ自然公園内をサファリ、今日のコースは湿地になったクレーターや川などで、フラミンゴやカンムリツル、水牛など水辺の動物を多く見る。昼前にロッジを出てキリマンジャロ空港に向かう。途中で土産物店、中華料理店による。バオバブの木(アフリカやマダカスカルに自生する巨大な木)を見学する。空港に向かう車窓から夕陽に赤く染まったキリマンジャロが見られた。
夜間飛行のKLM機でアムステルダムに向かう。 約10時間の夜間飛行で朝にアムステルダムに到着。出発までの8時間を市内観光する。夕方発のKLM機に搭乗、再び夜間飛行 約10時間で、9月23日、朝9:40 成田着。

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